COVER REPORT

「セルフビルド」

06.04.05.

冷泉荘では、各部屋の内装を、各入居者が思い思いにやっている。
デザイナーと工務店に頼む人、一部工務店に頼む人、自分でやる人。

自分たちでやることを、セルフビルド、と建築業界では言う。
建築業界にとって、セルフビルドが広がっては困る。セルフビルドが広がれば広がるほど内装工務店は仕事が無くなる。
挙げ句の果てに、内装計画までセルフになってくると、インテリアデザイナーは不要になる。

しかし、もはや既にセルフビルドは広がっている。
それは、内装業者に頼んだ場合と比べてあり得ない予算で内装が仕上がってしまうということだけではない。
楽しいわけだ。

歴史的にもセルフビルドで有名なものがある。
『シュバルの理想宮』
郵便屋さんが、コツコツ仕事の合間をぬって、相当な年月をかけて作り上げた理想宮。

今後日本にどんどんセルフビルドが広がれば、デザイナーはセルフではできないことに挑戦する。
そして、様々な個性ある空間が増え、もっともっと街は面白くなる。

既に冷泉荘はそうなりつつある。

 

※写真はA23で「梅紫」という色を塗る山崎さんと友人の方

 

冷泉荘A11号室

TRAVEL FRONT/ no.d+a 代表

野田恒雄